株式会社マルホ


木材用語集




結合水(けつごうすい)
「結合水」とは木材の細胞壁中にあって木材を構成する各種成分と物理化学的な結合をしている水である。
木材中の水分は、その存在する場所によって大きく2つに分けられ、この「結合水」と細胞の内腔や細胞壁の隙間にあって、比較的自由に移動できる「自由水」に分けられている。ちょうど、布袋に水を入れたものが細胞と考えると、中の水が「自由水」で布に浸み込んだ水が結合水といったイメージになる。
木材の乾燥においては、まず「自由水」が蒸発をし始め、「自由水」が蒸発しきった状態(繊維飽和点:おおよそ含水率30%前後)から「結合水」が蒸発しはじめる。この「結合水」が蒸発するころから木材は収縮を開始するなど性質に変化がみられ、「乾燥材」と呼ばれるようになる。



桁(けた)
「桁」とは柱の上に棟木と平行方向に横に渡して建物の上からの荷重を支える部材のこと。
特に外壁の上部で垂木(タルキ)を受けている桁を「軒桁(のきげた)」と呼ぶ。
桁に対し、棟木と直行する方向に渡してある部材は梁(はり)と呼ぶ。これらより、建物の棟木に平行する方向を「桁方向」と言い、棟木と直行する方向を「梁方向」と言う。



KD材(人工乾燥材)
「KD材」とはKiln−dried wood の略で人工的に乾燥された木材のことでありその木材の乾燥方法をも表現している。人工乾燥は温度や相対湿度や風速などの乾燥条件を人工的にコントロールすることで木材内部の水分を蒸発させ乾燥材を生産する。
人工乾燥の方法には様々な方法があるが、多くは乾燥釜と呼ばれる密閉された乾燥室内に木材を入れ、重油や電気、木くず等をエネルギーとして温度、相対湿度、風速を調整することにより木材を乾燥させている。人工的に管理された乾燥条件の中で乾燥させているため、短い時間で目標の含水率まで下げる事が可能であり生産量や生産コストを比較的安定させ易い利点がある。
一方で、太陽光と自然の風をうまく利用して乾燥させた木材は天然乾燥材と呼ばれ略して「AD材(Air−dried wood)」とも呼ばれている。AD材は日本古来から行われてきた木質を傷めない乾燥方法であるが、こちらも各メーカーによって、その乾燥工程に様々な工夫がされている。AD材は広い土地が必要な上、目標の含水率に下げるまでの期間が長く、生産量や生産コストの算出予測が難しい点があるが、木質を傷めず木の風合いを最大限に生かせる乾燥として利点がある。
人工乾燥においての乾燥方法はいくつかあり、さらにその乾燥プログラムは各メーカー独自で様々である。乾燥材の品質は木材の木質や木取りのほかに、この乾燥プログラムによっても大きく左右されるため、ひとくくりにKD材(人工乾燥材)と言っても、その品質は様々であることに注意しなければならない。含水率はどのぐらいを目標に乾燥しているのか?木質を傷める乾燥は行われていないか?内部割れが発生するようなバランスの悪い乾燥は行われていないか?その製品の樹種や木取りは使用用途に適切か?などなど・・・。
 また、業界内においてKD材(人工乾燥材)はAD材(天然乾燥材)よりも優れているというような認識を持たれている方がおられるが、木質を傷めずしっかりと乾燥している材であればどちらでも問題ないことであり全くのナンセンスである。むしろ手間と時間をしっかりかけていればAD材(天然乾燥材)の方が評価されるものだと思われる。
要は各メーカーの製品に対する方向性がしっかりしているかどうかが一番の問題である。



Copyright (c) 2012 Maruho co.,ltd All Rights Reserved.