株式会社マルホ


木材用語集



高温乾燥(こうおんかんそう)


「高温乾燥」は人工乾燥においての乾燥方法であり、針葉樹材の急速乾燥法に位置付けられ乾球温度100℃以上の高温を用いる熱気乾燥である。一般的には乾球温度140℃〜180℃、湿球温度100℃以下の乾燥条件が常用されるが木材にとっては非常に厳しい乾燥条件であるので、さまざまな長所や欠点が生じる。
長所としては乾燥時間の短縮による安定生産とコストダウンを計れることがあげられ、欠点としては材表面の変色とヘミセルロースの熱劣化に伴う材強度の低下(脆さ)の発生、乾燥むら(水分傾斜)が生じやすい事、また、適正な条件での高温乾燥では表面割れは少ないが木材内部の収縮による内部割れが増加する傾向がある。内部割れに関しては木材表面からの確認が困難なため気付きにくいこともあり注意が必要である。

光合成(こうごうせい)


木材は空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)と根から吸い上げた水を原料として光合成の働きによって「糖」をつくり酸素を空気中に放出している。そして、この「糖」が様々に化学変化(生合成)して木材を構成する主要成分であるセルロースやヘミセルロース、リグニン、抽出成分などに変化していくのである。
木材を使用することは空気中の二酸化炭素を吸った分だけを材料や原料として使うことになるため、結果として二酸化炭素を新たに増加させる訳ではなくCO2削減という観点から考えると地球環境に貢献していることにつながるのである。

構造用集成材(こうぞうようしゅうせいざい)


集成材はJASによれば「乾燥させたひき板(ラミナ)、または、小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行にして厚さ、幅および長さの方向に集成接着した一般材をいう」と定義されている。そのうちJASの「構造用集成材」は柱や梁、桁などに使用され、その使用用途により一定の強度を保証するためにラミナ、接着剤の種類、積層数、配置などが制限され、性能保証試験が義務づけられている。
「構造用集成材」のうち、柱は「同一等級構成構造用集成材」であり、梁や桁は「異等級構成構造用集成材」となっている。柱の場合は貼り合わせられるラミナの強度を同じにすることで繊維方向に対しての強度を安定させ、梁桁の場合は外層と内層でラミナの強度に差をつけ繊維方向に対して垂直にかかる荷重に対しての強度を安定させている。
接着剤に関しては1940年代から集成材に使用されているレゾルシノール樹脂接着剤(茶褐色)と1970年代から使用されている水性高分子イソシアネート系(乳白色)の2種類が多く、レゾルシノール樹脂接着剤は接着力が強いが人体に影響のあるホルムアルデヒドを放散する可能性がある。
材種としては米松集成材の他に欧州産の赤松集成材(通称:レッドウッド集成材)やスプルース系のホワイトウッド集成材などが存在する。近年では、国産材の有効利用という観点から、杉や桧の集成材や国産材と米松を貼り合わせた異樹種集成材というのも生産されるようになってきている。
構造用集成材は寸法安定性に優れており、扱い易い材料であることから普及してきているが、表示されている強度は、あくまでも加工前の1本の状態での数値であり実用段階とは差が出る可能性があることは無垢材と同じである。また各メーカによってラミナの木取りやグレード、貼り合わせ方にこだわりがある場合もある。
集成材のことをお施主様に対して無垢材と呼ぶ業者がたまにいるが、正確に言うとこれは無垢材ではない。


  

広葉樹(こうようじゅ)


「広葉樹」は俗に堅木(かたぎ)、英語でもハードウッドと呼ばれる、堅くて強い木である。しかし堅くて工作しにくい、高価である、長い材が取りにくい等の理由で柱や梁には使用されず、木目が美しい、傷がつきにくい、すり減りにくい、などから造作材、家具にはよく使用されている。「広葉樹」には冬になると落葉する落葉広葉樹と落葉しない常緑広葉樹がある。
「広葉樹」と「針葉樹」に大別されるが水を通す専用の「道管」の有無が大きな違いとなっており、若干の例外を除いては「道管があれば広葉樹、なければ針葉樹」と考えてよい。
「広葉樹」のうち代表的なものには、ケヤキ、ブナ、ミズナラ、クリ、ヤチダモ、チーク、ラワン(メランチ)などがある。これに対し「針葉樹」のうち代表的なものには、スギ、ヒノキ、ヒバ、ベイマツ、アカマツ、ツガ、スプルースなどがある。
⇒「針葉樹」の項も参照


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