株式会社マルホ


木材用語集




腐れ(くされ)
木材でいう「腐れ」とは腐朽菌によりセルロースとリグニンが分解されたために、木材組織が破壊されて材がスカスカになる状態をいう。高齢の樹木では原木の段階で内部が部分的に腐れていることがあり、場合によっては空洞状になっていることもある。
木材製品の場合、原木からの製材段階で、この腐れ部分が露呈し発見される場合と、住宅部材として使用後の使用環境によって木材表面から発生する場合とがある。
「腐れ」の発生は腐朽菌の発生と成長が必要であり、これには水分、温度、酸素、栄養源の4つの条件が必要である。この全てが揃わないと腐朽菌は成長しない。腐れ部分は組織が脆くなってしまっているので指先で触ると凹んだりポロポロ組織が剥がれ落ちたりするものもある。

GR材(ぐりーんざい)
「GR(Green)材」とは「生(なま)材」、「未乾燥材」とも言い、木材製品のうち、人為的な乾燥工程を経てない木材製品で且つ含水率が概ね30%以上のものをいう。昔は、木造住宅の施工期間が長かったこともあり、住宅になる前に、程よく木材は自然乾燥され大きな弊害もなく「GR材」は使用されてきたが、近年では、住宅の工期短縮及び高気密化、木材加工の高精度機械化などが進み木材性質が比較的安定している「乾燥材」を木造住宅に使用するケースが増えている。
木材は原木段階で水分を多く含んだ植物であり、伐採及び製材後に水分が乾燥によって抜けることにより、寸法の収縮や表面割れの発生等、性質に変化が現れる。この性質の変化が現れるのが含水率30%前後を下回るあたりからであり、この付近の含水率を境に「乾燥材」と「GR材」とに分けられるようになっている。

クリープ(Creep)
「クリープ(Creep)」とは木材に一定の荷重を載せたままにしておくと、「たわみ」等の変形が徐々に増加していく現象が生じる。この現象のことを木材での「クリープ」という。Creepには「のろのろ動く」とか「徐々にずれ動く」という意味がある。
木材にかかる荷重が重たすぎると、時間の経過とともに木材の細胞は徐々に破壊され、たわみは進行し、最終的には破壊する。これでは、材料としての意味がなく、長期にわたってかかる荷重が破壊荷重を超えないようにしなければならない。この際の荷重は破壊荷重の40〜60%であり「クリープ限界」と呼ばれている。クリープの身近な例としては本棚に本をぎっしり並べ、長時間経ってから本を取り除いてみると、いくらか棚板にたわみが残っている。これが木材でいうクリープである。


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