株式会社マルホ


木材用語集



背(せ)
樹木はその生育環境によって多少なり曲がって成長する場合が多い。特に傾斜地に生えた場合の根元に近い部分はその傾向が強く出る。この曲がっている形を人間が老いて腰を曲げている格好に例えて、図のように凸った方を「背」、凹んだ方を「腹」と呼ぶ。このような原木を製材する際は「背」を下にして製材していくのが基本である。




背割り(せわり
「背割り」とは柱などが乾燥収縮して、あらゆる所が割れてしまうので、これを防ぐために、あらかじめ化粧として露出する部分の逆側の見えない部分に切れ目を入れておくことをいう。「背割り」をすることにより、乾燥割れが背割り部分に集中して他の部分に割れが行かない効果がある。



繊維飽和点(せんいほうわてん)
「繊維飽和点」とは、細胞壁が結合水で飽和し自由水が含まれない状態のことをいう。このときの含水率は30%前後である。生材は常に繊維飽和点以上で自由水と結合水の両方を含んでいる状態であり、木材が乾燥して繊維飽和点以下になると、結合水が減少するとともに木材は収縮を開始しはじめる。



全乾重量(ぜっかんじゅうりょう)
「全乾重量」とは、木材に含まれる全ての水分を乾燥して水分がなくなり含水率0%になったときの木材重量のことをいう。食物でいう干物やイリコなどは含水率がほぼ0%近くになっている。



セルロース
「セルロース」とは木材細胞を構成している主な成分の一つである。木材の主な成分は「セルロース」、「ヘミセルロース」、「リグニン」と抽出成分があり、これらが、鉄筋コンクリートの構造に例えれば「鉄筋」、「結束線」、「コンクリート」に相当するような役割を果たしながら結びついている。このうちセルロースは一定の数に束ねられてミクロフィブリルと呼ばれる微小繊維を作り、これを取り囲むようにヘミセルロースが存在し、その周りをリグニンが充填しているというような具合になっている。因みに弊社担当者はロースハムが好きとのことだが、セルロースとロースハムは一切関係ない。



成熟材(せいじゅくざい)
樹木の中心から最初の10〜15年頃までの部分は「未成熟材」と呼ばれ、それ以降の部分は「成熟材」と呼ばれる。「未成熟材」は未熟な形成層細胞によって形成されているため「成熟材」と比べると全般的に強度が劣る傾向がある。このため樹木の芯に近い部分は性質も強度も不安定な傾向が強い。成長間々ならない樹木の製材品は曲がったりひねったりが激しく出ることもあるのはこのためである。因みに魚のスズキではフッコ、ブリではハマチ、人間では高校生以上が成熟材といえると弊社担当者は解説している。




製材(せいざい)
「製材」とは丸太から桁やタルキ等の木材製品を生産することをいう。「製材」とひとことに言っても実は奥が深く、ただ単に1本の丸い丸太を四角にするだけでなく、目的の製品に合った木の種類と木取りがある。木材製品の使用用途を理解し木材の性質と癖を読んだ上で樹種と木取りを決め製材することが大切なのである。本物は使われ方によって製材される方法が違うことを知っておかねばならない。価格と利便性ばかりが重視される現代において、これらの点が軽視された製材がおこなわれている傾向がある。木材を木材製品として最大限に利用しようとする「製材」は実は奥が深い。因みに弊社担当者は魚のうち新鮮なメバルは刺身や煮つけ、ウナギでは蒲焼きに料理することなど素材を生かした料理方法が木材でいう製材のようなものと考えている。




せん断(せんだん)
「せん断」とは力の加わり方のひとつであり、木材でいえば、梁をハサミで切るような作用(力の加わり方)が木材内部で働いているような状態のことをいう。実際の構造のなかでせん断力が発生するのは、接合部に角度のついた荷重が加えられた時がイメージしやすい。


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